1. モウソウチク
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科名:イネ科
学名:Phyllostachys edulis
分布:中国
植栽場所:一般駐車場付近
厳しい寒さも終わりが近づき、季節は春へ向かっていますね!
春の味覚といえば、タケノコ。紹介するのはモウソウチクです。
モウソウチクは稈長20mにも及ぶ常緑多年“草”です。
そう、草本です。
日本には史前帰化、あるいは自生種とされているマダケやハチクがありますが、モウソウチクは17世紀頃に、食用、あるいは材としての利用を目的に中国から導入された外来植物とされています。地下茎により繁殖し、その若芽にあたる部分がタケノコです。
立派なタケの稈とタケノコが、同じ組織であることを考えたら、なんだか不思議ですね。
→タケノコは紡錘形。根元は細いのです。
そんなモウソウチクですが、近年では竹林管理者の高齢化、水煮筍の輸入増加に伴い、放棄され急激に拡大し、植生の単一化を招いています。
(モウソウチクは開花周期が不明。種子から発芽した個体における開花の周期は67年とされていますが、栄養繁殖によるクローンの個体は一斉開花・枯死しない、あるいは極めて長い開花周期であるとされています。また、2ヶ月ほどで稈長が18m~20m≒ガンダムほどの大きさに達するとされているため、他の植物の成長を圧倒的に上回り、光を独占し、タケは優占しやすいのです。1日で119㎝伸びたという記録も。)
そして、拡大しているタケは「竹害」という心無い言葉のもと、しばしば邪険に扱われます。散々利用してきたのち、放置されて、拡大してしまったタケが「害」とされる。
…うーん、人間はいつだって身勝手ですね。
「タケノコを食べたい!竹を植栽しよう」とするのであれば、地下茎の逸出しない、隔離された空間で楽しみましょう!
余談ですが、タケ・ササ・バンブーの違い、ご存知でしょうか?
ササは若芽を覆う皮が成長しても残りますが、タケはそれが成長に伴い離脱します。バンブーはタケやササのように地下茎による繁殖はせず、分蘖(ぶんげつ)により株立状になります。
…しかしタケは英語で「Bamboo」。ややこしい!
→1年生のタケは皮が残る。
“卒業生に贈る花言葉”
卒業シーズンですね。本校の研究科7期生、園芸療法課程の方もご卒業を迎えました。
そんな卒業生の方々に、モウソウチクの持つ素敵な花言葉を送ります!
モウソウチク:「節のある・節操のある」
「節操」とは、「正しいと信ずる主義・意見を堅く守って変えないこと」
タケのように“節”を持ち、実直で、信念を持ち続ける人になってください!
しかし、地下茎で栄養繁殖をおこなうタケのように、 “同一個体”の人になってはなりません。
…そういった意味ではタケは反面教師にもなりますね。
大切なことは、自分が自分であること!!
ご卒業おめでとうございます!!
参考文献:
- 柴田 昌三(2003)モウソウチクと日本人. 日本緑化工学会誌28(3).406-411.
- 西 良祐(1993)花を贈る辞典 366日.講談社.東京.11pp.