「環太平洋コミュニティデザインネットワーク国際会議」参加報告記

1.環太平洋コミュニティデザインネットワークにおける国際会議について

 環太平洋地域の国や地方では、市民が参加するコミュニティデザインは、都市計画とデザイン・プロセスの中で、ますます重要な構成要素になりつつある。
アメリカ合衆国で展開される市民参加の都市計画、日本のMachizukuri Movemen「まちづくり活動」、台湾のCommunity Movement「コミュニティ活動」、そして香港でのトップダウン都市計画に対する再開発プロセスでの新しい挑戦の形など、市民が参加するコミュニティデザインのモデルは、現在日本、台湾と香港、そして米国の各地でみられる。
環太平洋コミュニティデザインネットワークは、1998年にカリフォルニア大学バークレー校での最初の会議の後、各国で順次開催され、発展してきた。
当淡路景観園芸学校(兵庫県立大学)でも2010年にこの会議を開催し、4日間の会期を持った。シンポジウムでは、約500名、また海外からの参加者も50名近くを得た。

このように、この会議は「環太平洋地域の民主的な目標」を掲げ、コミュニティデザインの研究者や実務家を招集して、議論される会議として、日本、台湾やアメリカ合衆国からの事例などについて発表しあっている。
実践や研究を発表する機会としての会議の目的は、環太平洋地域の全域で参加型デザインと計画のフィールドで働いている実務家と研究者とがお互いに話題を提供する場として、互いの経験を共有、比較している。
各国の政治や社会状況のなか、ネットワークはこのような形での、会議や共同のプロジェクトを通して、協力と相互連携のもと、ただ単に比較や理解するためだけではく、さらに発展的展開を目的とした会議を提供している。
2.成田から台北へ 3月16日

3月16日、東京に前泊し、台北市へ。

現地では、既にワークショップ等の分科会が行われており、16日は、そのまとめ作業を行っていた。
私が参加したのは、4つある以下のワークショップのうち、(2)の「新しい田園経験」となる。
このワークショップでは、各人の経験した事例報告を行いながら、「新しい田園経験」として何が求められるか、についてなどの共有化を図った。
(1) Urban social housing 都市社会の住居
(2) ‘New ruralism’ experiments 新しい田園経験
(3) Wetland conservation 湿地の保全
(4) Placemaking in displacement 失われた空間における場づくり
(5) Service-learning education 教育サービスに関する学習

私は、“The proposal and method for community design to activate the areas at Nagasawa and Gossa districts in the southern part of Awaji City in Hyogo prefecture.”「兵庫県淡路市南部に位置する、長澤地区および五斗長地区における地域活性化に関する提案と手法」というタイトルの発表を行った。
これは、淡路市の長澤地区、五斗長地区という二つの地区の地域活性化方策の提案やその実践事例を比較検証したものである。

2.中原大学における総合討論 3月17日20140613-094500-9440

3月17日は、中原大学において、総合討論が行われた。画像は、会場の様子を示している。
大会議室を利用し、各地に散らばっていたワークショップからの報告が行われている。

一例をあげると、(1) Urban social housing 都市社会の住居では、台北市内の新しい住宅開発地における市民参画型のデザインプロセスについて。

私の参加した(2) ‘New ruralism’ experiments 新しい田園経験からは、各人のテーマや事例報告と、今、台湾大学のシェンリン・チャン研究室が行っていPinglin という地方における茶畑における農村活性化方策についてなどが発表された。

(3) Wetland conservation 湿地の保全からは、台湾島内の鳥類の保全活動などについて。

(4) Placemaking in displacement 失われた空間における場づくりとして、消えつつある、歴史的景観などの保存と活用について、そして最後の(5) Service-learning education 教育サービスに関する学習については、ランドスケーププランニングにおける参画型のプロセスを学ぶ教育システムについてなどが議論された。

少しテーマが偏っている(ファシリテーターの専門性によるのか)傾向があるようにも思われたが、それぞれの発表やまとめは大変参考になるものであった。

3.3月18日20140613-094932-8176

3月18日は、「ワークショップ」の手法開発や著書で世界的に有名なヘンリー:サノフ氏などの講演と、今後の環太平洋コミュニティデザイン会議に関する方向性を議論するワークショップが開催された。

ポスター発表などが行われた。

以下の画像は講演や、ポスター発表の前でコメントするサノフ氏である。

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