楊先生には、都市化が進む重慶市の都市林や都市近郊の
残存林に関する講義を行っていただきました。
楊先生の教育活動
平成20年度後期は、中華人民共和国、重慶大学からYoungchan Yang(楊永川)助教授を招聘し、当校において教育と研究活動にあたってもらった。
先生は重慶大学都市建設・環境工程学部/
重慶大学三峡ダム生態環境教育部重点研究室(Faculty of Urban Construction and Environ- mental Engineering、 Chongqing University、 Chongqing / Key Lab of Three Gorges Reservoir Region’s Eco-Environment (Chongqing University)、 Ministry of Education、 Chongqing)助教授として、三峡ダム建設等にともなう環境変化の解析を行っている。
活動拠点である重慶市は中国4番目の直轄市として急激な都市化が進行している地域でもある。
専門は都市生態学で特に都市化に伴う植生動態や自然と共存できる都市環境に関する研究をされている。
三峡ダムは1993年に着工、2009年完成予定の洪水抑制・電力供給・水運改善を主目的としている巨大なダムである。貯水池は湖北省宜昌市の上流から重慶市の下流までの約660kmに渡り、ダム建設に伴う水位の上昇や、住民の移転、水質や水系の連続性の変化等により、自然環境・社会環境は大きく変化していしている。
このような変化の現状や、重慶市の都市化、中国亜熱帯地域で利用されている造園樹木の特性、重慶に移る前に研究されていた上海近郊の都市林の成功例や問題点、生態島と呼ばれる自然環境を保全・創出した島の景観構造やそのめざすものなど、現在進行形の中国の現状を熱心に紹介するとともに学生に考えてもらう材料とされた。
また、中国、日本の自然や文化の基盤である照葉樹林については現地調査を踏まえて、組成や構造を指導して頂いた。急斜面での調査に学生も苦戦したが,自らの活動は収穫であったと思われる。
授業では、学生からの希望も取り入れ、できるだけ事前にキーワード等を連絡したり、学生の理解を助けるために、わかりやすく美しいパワーポイントづくりに力を注がれた。若い先生であるため学生の目線で考えようとする様子が印象的であった。
ALPHA学生・教職員のバレーボール大会にも積極的に参加し、相手チームに随分と貢献して話題となったり、短いながら学生との交流にも尽力いただいた。
共同研究としては、淡路島内の照葉樹林の組成や構造さらにはその動態について調査を行い、シカやイノシシ等の野生動物や人為的な影響について中国との比較をもとに議論を行った。今後様々な交流が図られることを期待する。