さる8月22日、韓国ソウル市のソウルの森内「コミュニティ・センター」で、この公園を統括的に管理運営する(財)ソウルグリーントラストが主催する「都市公園運営セミナー」において平田教授が「日本の指定管理者制度と公園管理運営士制度」について講演を行いました。
本校と(財)ソウルグリーントラストは、2017年1月に交流協定を締結し、いろいろな交流事業を進めてきましたが、その一環として平田教授のコーディネイトによって「公園管理ガイドブック」(一般財団法人公園財団発行)の韓国語版出版プロジェクトが進められていました。
このセミナーは、この出版を記念して開催されたもので、日本からは出版元の公園財団理事長などが参加し、韓国側からはソウルグリーントラスト理事長のほか、翻訳担当者などが参加して、それぞれの国の今後の公園の管理運営のあり方について発表と議論を行いました。
7月からの日韓関係の悪化により、一時は開催するかどうかの検討もなされたのですが、「こういう時期だからこそ開催すべき」とのソウルグリーントラスト側の最終判断で、計画どおり開催されました。
会場は、ソウル市を代表する大公園「ソウルの森」で、ソウルグリーントラストは、日本の指定管理者のような立場で、この公園の全体管理運営を行っています。
韓国では、このような民間団体が公園を統括管理する例はまだほとんどなく、このソウルグリーントラストによる管理が、その第一号と言われています。
セミナーは、園内のコミュニティ・センターで開かれました。
主催者は、このセミナーが専門的な内容であり、また日本との交流事業でもあるので、数十名に参加者があれば・・・と考えていたそうですが、蓋を開けてみると約100名の参加者があり、会場の椅子、配布資料も足りなくなってしまいました。
セミナーでは、平田教授が日本の都市公園における指定管理者制度の現状と今後や、公園管理運営士制度について説明しました。
また、講演後は講演者全員と会場との質疑・討論が行われ、日本では多く導入されている民間組織による公園の管理運営について、行政との関係はどうなっているのか、両者の良好な関係を構築するためにはどのような工夫をしているのか、などの予定時間を大幅に超えて熱い議論が続きました。
盛況となったセミナーを終えて、スタッフ一同、このような時期にあってもこのような交流事業を行った意義を改めて実感し、今後も交流を続けていくことを確認してセミナーを終えました。
参加した平田教授からも、政治的にはいろいろな問題があり、訪韓することに若干の心配があったが、市民レベルでは日本とも交流を従前通り行いたい、という意識がひしひしと感じられた旨報告がありました。
似たような都市環境をもつ隣国同士、今後もランドスケープに関する交流を発展させていきたいものです。