南京空港から車で1時間、インターを出て間もなく目の前に建設用地が見え、ここで南京市近隣地区の花景観を中心としたテーマパークを整備している。
設計図を拝見すると洋風の施設が目立ち、中国各地によくみられる独立住宅の開発と似たような雰囲気になっている。将来このテーマパークで入園料を主な収入源として採算・運営を行い、周辺の地価も上昇するよう期待をしていると開発者から聞いた。
図-1計画されたテーマパークの鳥観図
建設中の敷地に入ると、地盤造成がほとんど終わり、大きな樹木を次々続々と園内に運んでいる。オランダ庭と予定されたエリアに着くと、大きな造成は改良に近い、ここは水と緑とチューリップが競演の空間だと開発者に説明され、その前向きの気概が感じた(図-2)。
図-2 オランダガーデンといわれる空間(整備中)
敷地は30haを超えるものだが、今後、バラ園や野草園、宿泊施設などを整備していく予定で、そのあたりには学生からのアイディアや空間設計センスを盛り込んだら提案があれば実際の空間に落としていきたいと開発者に言われた。学生の実践演習としてこのような実際に成果検証できるチャンスがなかなかないと思い、その好意に従ってこの敷地の一部を学生の実践演習の対象地として取り上げるように決めた。もちろん今後には大変な作業が待っている。
敷地の中には大池があった。その背後に高速道路が見え、その奥に山々も目に入る。調査時にこの地はちょうど夕日に照られ、景観の美しさを感じた。開発を実施する前に風景への視点場の確保を何より重要だと思い、下図のスケーチを描いて開発者に渡した、ここにはぜひよい視点場をつくってくださいと開発者と共有した。
図-3現場で描いたスケッチ(視点場整備の勧め)