11月2日から4日まで開催されたタイ・バンコクでの国際会議(Design Summit)に出席しました。これは、ランドスケープ分野であるIFLA(International federation of Landscape Architecture)のAPR(Asia Pacific Region)が参加する、大勢の専門家が集うものです。

会議場は、バンコクの市内中心部にあり交通の便の良い所でしたが、初日に空港に着いたのが深夜だったので少々、困りました。タクシーは、少し剣呑だったので、旅行社にリムジンの手配を頼みました。結構良いお値段でした。

初日は、レジストレーションに長い列ができて、開始時間が40分ほど遅れました。その後も、午後の基調報告から、分科会までいつも時間が30₋40分遅れ気味でした。日本では考えられないことなので驚いたのですが、ゆっくりとした時間が流れていきました。もちろん、終了時間もその分遅くなったわけです。

筆者の発表は、3日目でしたが、初日の基調講演や2日目の発表も大変興味深く聞くことができました。発表タイトルは、“Community participation and native plant use in the creation of a tea ceremony garden”というもので、淡路島に位置する伊弉諾神宮で住民参加や地域性植物を用いて、茶庭づくりをした経過を発表しました。会場の参加者からは、「とてもセンシティブ=繊細な庭造りの話で大変興味深かった。」、「茶庭の事がよくわかってよかった」、「日本文化の一端に触れることができて良かった」などおおむね好評を頂きました。

林 まゆみ


 

筆者の発表
マレーシア、タイ、日本、韓国などの参加者


2日と3日は、いわゆるプレゼンテーションでした。


4日は、テクニカルツアー(専門領域の見学会)です。生物多様性を目指している植物園を2か所訪問しました。

トヨタエコフォレスト 研修センター
トヨタエコフォレストの森


トヨタエコフォレストは、8年生や10年生の森が成熟段階に近づくと、この植林方法がどのように機能するのかがはっきりとわかるようになっています。

PTTメトロ都市林


PTTメトロ都市林は、スワンナプーム空港から約6キロのバンコクの東端に位置しています。このエコロジカルな再生を目指したプロジェクトは、およそ6万本の地域特有の種からなる屋外展示スペースが計画されており、環境意識を養い、訪問客への啓発を行っています。このプロジェクトは、2ヘクタールの放棄地を回収し、歴史的に地元の(低地の)低木熱帯樹種を取り入れて、郊外のスプロール現象、都市のヒートアイランド、洪水の発生を抑制させることを目的としました。多様な森林生態系を創出するために、苗木の植え付け技術を、低地の双翅目の最適栽培環境のために、工学的に地形を設計することによって実現しました。

5日目は、地元の大学生の案内で、Chulalongkorn University(チュラロンゴン大学という王様の設立した名門大学)にあるCentenary Park(センテニアルパーク)という広大なRain Garden(雨庭)などを見学しました。

チュラルロン大学 センテニアルパーク(雨庭)
センテニアルパーク研修センター(雨庭のシステム等について学ぶ)


ペダルを漕いで、水を浄化するシステム


全体を概観すると、アジア・オセアニアからの基調報告では、特にオーストラリアなどで造園プロジェクトがまだまだ大変盛んにメガプロジェクトが行われていることが印象的でした。また、基調講演をされたのが、ハーバード大学の教授でしたが、開催国であるタイの専門家はその多くがハーバードやその他の欧米へ留学していた経験を持っていることが印象的でした。

東南アジアの学生が大勢、ハーバード等アメリカの大学に留学し、その後、国内で要職について活躍しているのです。また、その人たちが卒業した大学と継続的な関係を持っているのです。

 

 

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