平成26年5月9日~21日、大藪准教授がケニアにて国際共同調査を実施してきました。本稿では日本人にはまだ渡航の機会の少ないケニアのお国事情を以下に紹介してもらいます。
「ケニヤ調査訪問記」
まず到着するのがジョモ・ケニヤッタ国際空港で、日本で
言うところの成田空港となります。ただ違うのは、そこから走り出して3分で運が良ければキリンが見られます。
空港を出発する人はカメラの準備をしましょう。
隣は国立公園かと思いきやただの空港拡張スペースであるとのことです。
空港の横には海岸リゾート地であるモンバサへ通じる幹線
道路があるので、近年、急速に発展しており、訪れるたびにその様子が変わりなかなか興味深いものがあります。
最初は、バラックのようなキオスクで、次に自動車修理屋やガソリンスタンド、飲食店、そして工場や住宅地となります。
そのモンバサへの道を30分も走ると左右には草原と潅木の大地が広がります。
今年、初めてその道端で野生のダチョウを見ることが出来ました。
もっとも発見したのはドライバーさんの‘オーストリッチ’という呟きで、最初何を言ってんだろう??と思いましたが、指さしした方向を見ると、常日頃スマホで目を酷使している日本人には肉眼で見るのも難しいくらいのサイズで2頭のダチョウが見られました。
そんな感じで出発から4時間ぐらい走るとナイロビと
モンバサを結ぶ中間ぐらいに到着します。
ちなみに、ナイロビは内陸部にあり、旧宗主国であるイギリスの方々が住み易い地区に入植して発展しているため、赤道直下でも比較的気候が冷涼で湿潤なのですが、海岸に向かって標高が下がっていくとともに暑くなり、乾燥化が進んで景観がどんどん変わっていきます。
そのような乾燥地では雨期と乾期が分かれており、今回は雨期に訪問したため比較的みどり豊かな大地を見ることができましたが、乾期になると一面赤茶けた大地となります。
どのシーズンに行くのが良いかは目的にもよりますが、雨期の終わりから乾期がいいかもしれないですね。
何せ雨が降ると停電が多発しますので、照明やシャワー(電気で湯を沸かすので使えない)とか、あとPCが使えなくなるので生活が不便です。
現地での食生活ですが、よく食べたのは豆を煮込んだ
‘マドゥドゥ’と呼ばれるものに、‘キャベツ’煮を添えたものをおかずに、主食として小麦を練った薄いクレープのような‘チャパティ’です。
これは、人によって好き嫌いが分かれるところですが、慣れればおいしく感じます。
ちなみに、‘マドゥドゥ’と‘キャベツ’がセットで30ksh、日本円にしておよそ35円、後ろに見えるファンタも30ksh、日本円にしておよそ35円とリーズナブルになっていますので長期旅行者にとって安心でしょう。
また、2週間の滞在にもかかわらず、2kgも体重が落ちるという特典付き!ぜひ一度お試しいただきたいものです。
あと、美味しいものに、長粒米のピラフがありますが、これも日本人の口に合うかと思います。
さて、農村部の現地の方々の生活ですが、何軒か農家を
回ったところ、男性は昼間から道端で井戸端会議しているのを良く見かけ、女性は畑や家で家事を良くこなしておられるという印象です。
実際、男性もどこかで働いていると思うのですが、どんな時に活躍されているでしょうか。
畑では、マンゴーやオレンジやグァバといった果樹生産、木材資源の生産、トウモロコシや豆といった食料生産を行っており、みなさん裕福そうで幸せそうな農家ばかりでした。
大自然からのインカムゲインがあるから男性ものんびりと昼日中から話しこんでおられるのかもしれません。
その意味では、スワヒリ語で「ゆっくり」を意味する言葉‘ポレポレ’を実践中なのです。
旱魃や熱波という自然の脅威にされているので頑張ってもダメな時はダメという贖わない生き方の賜物のなせる業かもしれません。
ケニアは、ヨーロッパやアメリカにはない素晴らしい自然と文化があります。
中東経由で入国までおよそ20時間で到着します。
政情も比較的安定していて、都市部で夜間に出歩かなければ安全ですので、皆さんも一度訪れて、その感動を味わってもらいたい国です。