7月は「花とまちづくりのリーダーを目指して」をテーマに、先輩の活動事例を見学しました。また花と緑の栽培実習の2回目では栄養繁殖の挿し木を行い、3日目にはワークショップで公園を考える演習と世界の庭園について学びました。
7月5日~7日の3日間で、初日は花と緑の栽培実習で栄養繁殖の挿し木を行いました。挿し木についての説明を受けたのち、班ごとにフィールド内に出て、思い思いに木本や草本の穂木の材料を集めて回り、東作業舎に戻って挿し穂の調整をしたのち、挿し木を行いました。鋭い刃物で斜めに切り戻しを行いながら挿し穂を作り、木本は鹿沼土の育苗トレイに、草本はメトロミクスのプラグトレイに挿しました。これらを西温室のミスト灌水で管理し、9月の鉢上げ時に発根の状況を調査します。
2日目は先輩方が活動されている先進地を見学しました。今年度は明石から姫路にかけての東播磨地域を対象に、各施設などで活動を展開されている6カ所を巡るハードスケジュールの行程でしたがほぼ予定通りに進み、先輩方の熱心な活動地を見学することができました。
1カ所目は、明石の子午線沿いを「子午線花海道」と名付けて花壇等を整備し、花と緑のまちづくりをされているグループ「花時計」の活動地を見学しました。OBの池田さんに案内をいただきました。
中崎公会堂横のの花壇 海岸近くの公園の刻花壇
次にOBの方が相談員として活躍されている明石市立「花と緑の学習園」を訪ねました。OBで当園の相談員をされている井上さんの案内で学習園内を見学したのち、隣接する上が池公園の花壇を管理しているグループ「アルファグリーン明石」の活動地を合わせて見学しました。グループの名前からも淡路景観園芸学校の卒業生が中心であることがわかります。
花と緑の学習園について説明 上が池公園の花壇
3カ所目は加古川に足を延ばし、「NPO法人加古川緑花クラブ」の活動地で、本校のOBの方々が活躍されている場所を見学しました。先に加古川駅北側の花壇をOBの北川さんに案内してもらいました。できるだけ里山風に木を植え、中を通ってもらえる花壇(緑地)を考えて造られました。
この後日岡山公園に移動し、公園内の花壇管理や加古川花緑クラブの活動について、OBの安尾さんから説明いただき、案内してもらいました。
見学の後、講義棟で昼食の弁当をいただいて次の見学地へと向かいました。
今日の5カ所目は、姫路別所の山麓の農場を活用し、就労支援を主として活動されている「NPO法人姫路こころの事業団」を訪問しました。理事長の浜中さんは本校のOBで、園芸等の技術よりも人と人とのつながりをいかに広げるかを学ぶために、まちづくりガーデナー本科コースに来られたそうです。無農薬による野菜作りの畑地やブルーベリーの栽培地を見学しました。
ブルーベリー畑 無農薬による野菜作りの畑地
本日最後の訪問地は、姫路市香寺町の姫路里山ガーデンです。ここは団地の裏山を住民のふれあいの場として里山林整備を進められており、兵庫県立大学の教授をされていた熊谷氏が自ら裏山を買い取って始められたもので、今は「NPO法人はりま里山研究所」として管理・運営をされています。また奥様もガーデニングのスペシャリストで、いくつもの賞を受賞されており、オープンガーデンで多くのガーデニング・ファンを魅了されています。ご夫婦で里山ガーデンと自宅の花のガーデンを2班に分かれて交互に案内してくださいました。
林内の一部はプレーパーク的に整備され、子供たちの環境教育にも利用されています。
自宅のガーデンはちょうど花の少ない時期でしたが、きれいに手入れされた庭を拝見しました。オープンガーデンの5月にぜひお越しくださいとのことでした。
これで本日のスケジュールはすべて終了しました。厚い中皆さんお疲れさまでした。
最終日の3日目は、林先生の「ワークショップで公園を考える」と竹田先生の「世界の庭園の歴史と様式」です。
ワークショップでは、想定された公園予定地について、各班ごとにそれぞれが地元の自治会長や子を持つ母親、老人などの立場になって、どんな公園にするか話し合って案を決め、色画用紙で模型作りに挑戦しました。最後に各班からコンセプトや工夫した点などについて発表してもらいました。
午後の竹田先生の授業では、世界の庭園の歴史と様式について、スライドで詳しい講義を受けました。庭園づくりが始まった歴史や国ごとの様式の違いがどのように生まれたかなど興味深いお話でした。