1.講座のねらい
12月15日~17日にかけて、里山のやっかいものであるツルや竹を単に除去するだけではなく、クラフトして私たちの暮らしに役立つものに変えていく学習をする講座が開催されました。
樹林を覆い尽くすツル植物、多の植物を駆逐して広がる竹やぶは、日本の里山の生態系を脅かすやっかいものです。
それらを単に除去するだけでは、「つらい作業」でしかありませんが、除去したものを私たちの暮らしに役立つものに変えられれば、それらの作業にも楽しみが出てきます。
この講座では、そのようなツルや竹を里山から除去してきて、クラフトすることを通じて、その技術を磨くとともに、里山保全の意義を学ぶものです。
2.ツルをかごに編む
15日、16日は、ツルを取ってきて、つるかごに編みました。
まずは、里山から取ってきたツルの整理です。複雑に絡まった、いろいろなツルを一本一本丁寧によりわけ、編みに使えるよう整理していきます。
そして、縦芯を固定して、かごの底を固めていきます。
底が固まったら、横芯をひたすら編み込みながら形を整えていきます。
みなさん、初めての挑戦にもかかわらず、それぞれに立派な作品を作り上げました。
かごのなかに実際にものを入れるとさらに映えてきます。皆さん、今回の挑戦でかご編みの自信をつけられたようでした。
3.竹を道具にする
17日は、竹を取ってきて、身近な道具(マイ箸、菜箸、バターナイフなど)を作りました。
まずは竹の侵出状況を観察し、大きな孟宗竹を切り出してきました。
作業場では、まず枝を落とし、稈(かん)を切り分け、きれいに水洗いします。そうすると、生えている状態ではたくさんのゴミがついていたのが、きれいな「青竹」になります。
そして、なたを使って加工しやすい太さに割っていき、
小刀で削り出して成形していきます。
削り出しには、皆さん少々苦戦しましたが、今夜から使えるきれいな竹のお箸とバターナイフができました。
このようにして、里山の保全を学び、生活の道具を自らの手で作り出す、一石二鳥の講座の成果に皆さん満足げでした。