まちづくりガーデナーテーマコース「名園を巡り地域を知る」が実施されました

11月27日(月)-28日(火)、まちづくりガーデナーテーマコース「名園を巡り地域を知る」が開催され、庭園に関心を持たれる市民らが参加されました。

初日は、校内での講義、2日目は、庭園の歴史や造形に詳しい西桂先生と共に、竹田地方(朝来市)の名園を巡りました。

冒頭に、林まゆみ主任景観園芸専門員からガイダンスがあり、多様な自然を有する兵庫県の気候の特徴や景観形成地区の取り組み、また、淡路島の地域らしさを表現する茶庭づくりなどについて紹介がありました。

午後は、京都市文化財保護課の今江秀史様が「日本庭園における庭仕事の実践と本質」と題して講義をされ、その後、庭園史研究家の西桂先生が話をされました。

今江先生は「名勝」の専門家として、役所で文化財保護に関わる仕事に携わっておられる経験から、色々とお話しいただきました。            

特に、壬生寺庭園(1986年京都市の文化財に指定)の修理に関わった時の(庭の)「所有者」「庭師」「役人」の関わりを例にあげ、「文化財になったら、何も変えられないという固定観念にとらわれ、主体性が欠落しがちになるが、これらの当事者が共に、庭に対する思いと主体性をもって働きかけをしていくことで、双方の妥協点が見いだされ、庭がより磨かれていく」と話され、庭に関わる人たちが長くコミュニケーションをとり続けることの大切さを述べられました。「庭は所有者の期待を裏切るが、庭の楽しみは、時間の変化を楽しむことである」との言葉も印象的でした。

続いて、西桂先生が、「兵庫の庭園」と題して話されました。西先生は、兵庫の庭を中心に約50年、庭園の研究や整備にも関わってこられた専門家。冒頭、「庭の鑑賞はこうでなければならないということはないが、歴史や様式がわかれば、世界が拡がる」と述べられ、時代の変遷も盛り込みながら、神戸阪神地区、播磨地方から丹波地方、但馬地方など兵庫県下の文化財庭園の特徴を順次紹介されました。 

明治末期から大正にかけて、神戸阪神地区に住んだ事業家らによって、近代庭園が多く作られたことや、播磨地方には、塩田地主などの豪農や豪商が残した庭園や茶室などが残っていること、また、宮本武蔵の作庭は兵庫県下のみに存在していることなども話されました。

最後に、「姫路城三の丸向屋敷庭園」の発見と、それを示す資料『酒井忠以・玄武日記』(安永7年(1778)正月14日より)に、かつて、客人を迎えて初釜(茶会)が催され、庭園内を船で回遊しながら茶室へ向かう様子などが記述されていることを紹介されるとともに、これらの復元への思いも語られ、参加者は興味をもって熱心に聞いておられました。

2日目は、西桂先生の案内で竹田地方(朝来市和田山)の名園を巡りました。

最初に訪れたのは、「護念寺庭園」。室内から鑑賞するように作られた池泉鑑賞式庭園で、岩崎清光の作庭とされ、卓越した石組の美しさを備えた秀逸な庭園で県指定名勝とされています。

昼食後に訪れたのは、「観音寺庭園」。竹田観音寺山を借景にした池泉鑑賞式庭園で、こちらも岩崎清光の作庭と考えられています。

その後、格技を好んだと言われる表米宿弥命(ひょうまいすくねのみこと)を 祀った「表米神社」を鑑賞しました。境内には相撲桟敷が設けられており、石積段型桟敷は、全国でも非常に珍しく、県の文化財に指定されています。

最後に、雲海の城 で有名な竹田城を借景 とした涼月台 池泉観賞式庭園「法樹寺庭園」を訪ねました。

参加者は、終日、熱心に見学され、名園と地域の文化を学び、触れる機会となりました。

2日間の最後に、林まゆみ主任景観園芸専門員から参加者に、テーマコースの修了証書が手渡され、兵庫の名園について、「受講生の皆さんが今後も関心を持って、関わってほしい」と話しました。

 

(文責 林)

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