冬の寒さが残る3月15日(金)に、淡路景観園芸学校の修了式が開催されました。
修了証書の授与の直後に座談会を行いました。まだ緊張と興奮のなか、3期生の5人と平田校長の生の声をお聞きください!!

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平田:今日は景観園芸学校の修了式ということで、皆さんにも兵庫県景観園芸士の認定書が授与されました。おめでとうございます。この2年間を振り返って、学内外・寮生活などで、感じたことをお聞かせください。

長尾:2年間は早かったと思います。3年くらい欲しいです。

平田:もう1年あったら、どんなことをしたかったですか?

長尾:1年半授業、1年半研究とか。とにかく研究の期間がもうちょっと欲しかったと思いました。保全領域は1年間を通して、季節の移り変わりもあるので、その時期に応じた実験もできるし、もう少し学生生活にも余裕ができたのかなと思います。

大久保:2年目の方が早く感じました。1年目はとてもゆっくりと流れ、特に4月、5月は長く感じた。2年生になったら研究に追われたこともあって皆と疎遠になり、1年の時ほど会う時間がなく、余計、人恋しくなったりしました。

吉田:1年と2年の生活が全く別のもので、違う1年ずつを過ごしていたように感じました。

山﨑:1年目は授業をとっていたため、みんなと一緒にワイワイやりましたが、2年目は1人で研究していく学生生活だった。

平田:1年と2年の生活の違いでギャップを感じて戸惑ったことや困ったことはありませんでしたか?

吉田:1年の時はみんなで話し合って答を見つける形がほとんどだったのに、2年の時は、指導教員と主に自分の中で戦っていく感じの1年間だったような気分でした。いい面もそうでない面もありました。

長尾:みんなと話し合って良いアイデアが生まれたり、作業が進んだりしたこともあった感じです。

松石:この学校にきて、グループワークは気持ちいいと思いました。

山﨑:この人数だから、できる面もあったと思います。

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平田:グループワークでは、どんなことがありましたか?

吉田:寮生活は時間が無限にあると思って、没頭してやってしまうこともままありました。

大久保:スタジオに長時間いて、夕食後でも授業のことなど、次々と話題が出てきて、話し合いが尽きることはなかった感じです。

吉田:私は、ここに入学する前に社会人を3年やっていたので時間的なゆとりがなく、省くことばっかりやっていたので、学生生活は時間をかけて納得のいく答を見つけることができたと思います。

長尾:グループワークでは、あまり妥協もしなかったが、苦しんだ末に納得のいく結論が出せました。

松石:意見の対立は気持ちのいい面もあります。そこですり合わせて結論に到達できるまで話し合えたから。

大久保:授業をたくさんとると、グループワーク全部に参加できませんでしたが、みんな自分の意見をはっきり言うので良かったと思います。

長尾:就活にあたり、自分のまわりにはエントリーする会社のことをよく勉強していた人がたくさんいましたが、自分は、グループワークのおかげで、それ以外の役回りで力を発揮でき、司会などをこなせたので内定を得られたと思います。

平田:この2年間で役立ったことや自分に成長をもたらしたと感じたことはありますか?

大久保:今までは、自分の意見を曲げずに通すことばかりに力が入ったけど、ここで学ぶうちに、他人と会話が出来るようになりました。他人の意見を受け入れることができるようになったことです。

松石:造園に直接関係している人物を先生方が紹介してくれたりして、その方との関係を深めることができ人脈が広がっていったことや、学部の時にはなかった身近な指導が受けられたことが良かったと思います。

大久保:やろうと思えば,何でもやれたところです。海外にも何回も行けて、私は2年間で6カ国を回ってきました。

平田:授業・実習で印象に残ったことはどんなことでしたか?

山﨑:キャンパスの先生だけでなく、いろんな仕事をされている実務家教員がスクール(実習)バスでいろいろな地域に連れて行ってくださり、いろいろ学べたところが良かったです。また、長沢地区で町を活性化していこうということでマップなどを作り、学生が地域に提案できたことで達成感が得られました。

大久保:グループワークの徹夜明けに0限の授業があったときはさすがにきつかった。朝の7時ぐらいに寝たりし、起きられませんでした。

松石:そういえば、朝ご飯クラブで朝ご飯を作ったり、みんなを起こしたりしたなあ(笑)。

吉田:緑について、網羅的にいろんなことを学べたかなと思っています。はじめは何をしたいのかわからないところもありましたが、そういう人にとっては、いろんな目線から見られて良かったです。

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平田:環境・造園以外の他分野から入学した人も、全体像がわかって身についた点とかはありませんか?

長尾:僕は文系から、「景観」という言葉も知らなくてこの学校に来ましたが、勉強した緑環境景観の位置づけが2年間でなんとかできたのかなと思いました。分野に関係なくとも基礎を学ぶことにより、ものになったと思いました。

平田:では、この2年間で一番印象に残っていることは?たとえば実習の一コマとか?

長尾:生きものの観察がおもしろかったです。水田や用水路にイモリ、カエルなど見つけられて楽しかった。この年になってもこんなことを勉強させてもらって嬉しかったです。

大久保:葉っぱを見つけても感動しました。みんなと意見が合う、そんな人たちがこの学校に集まってきていると思います。

長尾:大学の時にはしらけるシーンも、ここでは盛り上がりました。

平田:感動を共感できる仲間がいたのですね(笑)。で中身は?

大久保:授業で習った(覚えた)ことを人に伝えたくてしょうがない気持ちが芽生え、道端の街路樹を見てもしゃべりたくなります。

平田:では、当校に来てはじめて見えてきたもの、いわゆる「新たな気づき」はありましたか?

松石:この学校へ来て学んでから、景色の見方が変わりました。その感動をみんなで共有できることがなお嬉しかったです。

大久保:私はもう少し植物に触れる授業があったら良かったのにと思いました。基礎中の基礎なんですが、不足分は授業で知り合った造園屋でバイトさせてもらうなどして自分で補いました。バイトでは、授業では得られなかった1対1の指導も受けられて良かったと思っています。

平田:バイトの話がでたので、次は学生生活についてですが、2年間で印象に残ったことは?

大久保:1年の夏、事務の学務課長から島まつりの踊りに誘われ、踊って楽しかったです。2年目には後輩達を連れてまた踊りました(笑)。そこで知り合った、ガーデナーコースを修了されたバーベナあわじの上田さんに日本舞踊を習うようになりました。自分でもつながりの連鎖に驚いています。

吉田:鳥のさえずりで目が覚めた経験は貴重でした。自然の中で暮らしているので、しょうがない面もありますが、ムカデはごめんですね(笑)。

大久保:私も虫とのふれあいはすごかったです。全身にかゆみが回り、寝られなかったこともありました。

松石:「春夏秋冬」季節がはっきりと変わり、この花、この虫、こんな時期に、身近で見られて良かったです。

平田:寮生活はどうでしたか?一人になりたいとか、プライベートの時間確保は大丈夫でしたか?

山﨑:生活にメリハリもつけなければ。みんなといる時間が楽しいから、バランスを見ながら自分と向き合う時間も必要だと思いました。

全員:このメンバーだから、みんなでいることに流されるほうも楽しかったので、コントロールが難しかったです。

平田:周りが見えすぎるから、不安になることはないですか?周りの動きに身をゆだねすぎると身が持たなくなるかな?

山﨑:いろいろ手を出しすぎた点も反省しています。優先順位をつけてやれば、内容的に良かったと思います。

平田:これからのこと、社会人になったらしてみたいこととかお話しいただけますか?

大久保:壁面緑化の研究がまだあまりされていないので、ここで学んだ方がいろんな分野で活躍されているので、相談できるのが心強いし、その人脈をも利用し壁面緑化を極めてゆきたいと思います。

松石:ここで学んだ中では、造園業界のことが網羅されているので、業界に入ってもここが足りていないとかがわかると思うので、徐々に自分の色を出してオンリーワンになりたいです。

山﨑:私は、公園の管理の仕事に就きますが、公園も街の一部だと思うので、ここで学んだことを活かして街を元気にしてゆける人間になりたいと思います。

吉田:仕事に対する取り組み方ですが、私はここに来てから徹夜をすごくするようになりました。これからは、時間の制約もあるので、仕事にはメリハリをつけてやらなければならないと思っています。

長尾:僕は緑環境とあまり関係ない会社に就職することになり、営業などをするかもわからないですが、ここで学んだ景観園芸の知識をいろんな分野で広げてゆきたいと思っています。可能性も探りたいです。また、地元に帰ることになるので、地域活動も行ってゆきたいと思っています。

平田:会社人だけでなく地域活動も大事ですね。最後に後輩とか、この学校に興味を持たれた方にメッセージをお願いします。

松石:入学すれば、新たな世界が開ける。

山﨑:この学校でなければ、授業も学生生活もできないことが多い。迷っている方は、ぜひお越しください。

吉田:淡路島は観光資源の多い島で、長い休暇を楽しめました。好きなこと、学びたいことを学べて良かったと思っています。また仕事にがんばってゆきます。

長尾:淡路島、一人暮らし、大学院とハードルは高そうですが、みなさん気軽にお越しください。興味がわいてきたら、間違いなくこの学校に縁があったということになると思います。

大久保:なにかしたいということがなくても、緑に少しでも興味があったら、ここに来たら、やりたいことがすぐ見つかります。最初に一気に広がるので、うまく優先順位をつけてコントロールしてください。人間的にも成長できると思いますので、ぜひお越しください。

平田:どうもありがとうございました。みなさんお元気でご活躍ください。

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