インストラクター
植村 一郎

1 → 2,000 … 2,000倍に増えるものですが、何の数値だか解りますか?
お米(水稲)を田んぼで栽培した場合の平均的な増殖量です。お米ひと粒からできる1株には約20本の穂ができます。そしてひとつの穂には、約100粒の新しいお米が実ります。 

お米の栽培期間はどのくらいでしょうか?春に播いたひと粒のお米が発芽し生長します。分げつ、出穂をし、やがて実りの秋を迎えます。その間、わずか5か月ほど。ものすごい生長力だとは思いませんか?この「ものすごい」を経験することが、勉強の一番の早道だと思います。

今年、私の担当する授業で、わずかの面積ながら畑に田んぼを作って水稲を栽培しました。昨年、バケツ栽培で水稲を作りましたが、学生にもっと植物のすごさを知ってもらえたらと思って企画しました。先日、10月7日に刈り取り作業を行いましたが、果たして何名の学生が私の意図したことを感じてくれたでしょうか。

この「ものすごい」を感じてくれたのなら、恐らく植物に対する考え方が変わるのではないかと思います。植物を育てるという表現をしますが、それは人間側から言った言葉です。本来、植物は自ら育つものです。植物の生長を手助けしてあげること、それが人間のできることです。そしてその手助けを「栽培技術」と呼ぶのだと思います。

聞いただけでは解らないから見に行ってみて良く分かった(百聞は一見にしかず)、ということは誰でも感じたことがあります。そして、見るだけではなく経験してみるとさらに良く解る(百見は一行にしかず…とでも言うのかな?)ことも、実際に経験してみたらなおさら感じます。田んぼづくりが、植物の凄さを感じる経験の場となっていれば良いのですが…。

植物の栽培に限らず、本校の学生には学生で居られる間にたくさんの経験をしてもらって、その感動を持ちながら勉強に励んでもらえたらと思います。

 

稲刈り

 

PAGE TOP