阪神百貨店が今年4月6日に全館グランドオープンした。約100mのスイーツストリート「洋菓子ワールド」がニュースに流れたので記憶に新しい方も居られると思う。

梅田の再開発の目玉であったこの計画は、2013年から動き出し完成まで10年近くの歳月を要した。2014年から2期に渡って行われた工事により閉鎖や開業が何度か行われてきた。沿革についてはここでは割愛するが、この高層ビルは「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」と呼ばれることとなった。

この大阪梅田ツインタワーズ・サウスの3~9階のバルコニーには、計487個のプランターが設置され、六甲山系や淀川水系の在来種が約100種類植栽されている。また12階の屋上には、オフィスワーカーや一般の来客が利用できる約800㎡の緑化された広場が用意されており憩いの空間となっている。

壁面は植栽にあたり土壌基盤を造って高木から低木を配植したデザインとなっている。ビルの外装にアルミ化粧パネルが使用され、そのパネル間約1.2m(北側の曲面部は各階にカフェがあるため開口部が広い)、奥行約0.6mのバルコニーに木本を植栽し、維持管理によりその樹形や質を維持する作業が行われている。大阪でのビル壁面の大規模な緑化は近年なかった。また緑化が行われていたとしても、草本や低木がカセット式で植えられていたり、つる植物を登攀させたり下垂させるタイプの緑化であった。

 

屋上は4月下旬にひっそりとオープンしている。緑化された空間は、オフィスワーカーだけでなく一般の人も緑を楽しむことができる。阪神百貨店の9階にはスターバックスコーヒーがあり、オフィス棟の11階にはタリーズコーヒーがあり、天気や時季の良い時にはドリンク片手に屋上で寛ぐのも良い。オープン後に訪れた時はあいにくの雨であったが、これはこれで新緑に雨水が映えていた。屋上には警備員が3人居ただけで広場中央のシンボルツリーのケヤキも少し寂しそうである。まぁ徐々に知れわたることで人が居ない写真を撮るのも難しくなると思われる。

この維持管理技術を含め緑化部は資産として価値付されている。今後、阪梅田ツインタワーズ・サウスの緑化は、植物の成長や多様な動植物の生息場所として経過が楽しみであり、一度、時間があるときにこの緑化施設の初期状態を見ておいてもらえればと思う。

 

 

 

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