2024 年3月8 日に兵庫県立淡路景観園芸学校修了式が当校多目的ホールで行われました。その後、研究科修了生5人が藤原研究科科長を囲んで研究科で過ごした2 年間を振り返って思い出を語り合いました。
藤原研究科長:2年間お疲れさまでした。まずは、修了おめでとうございます。ここでは、2年間の感想などをざっくばらんに話してもらって、緑環境マネジメント研究科で学ぶことや淡路島での生活がどのようなものだっかを教えてもらえればと思っています。
藤原研究科長:まずは、この研究科を目指した理由や、実際に学んでどうだったのか、学んだことを今後どう生かしていきたいかなど話してもらえればと思います。
B さん:私は、淡路景観園芸学校の園芸療法課程(全寮制)に1年在籍していたので、同じキャンパスにあるこの研究科に興味を持ち、福祉と緑地の可能性について研究してみたいと思った。造園会社に就職したので、そこで市民と緑地の保全などができたらと思っている。実践演習の授業では、病院と緑地の関係をテーマに調査をしたが、今後の仕事の中でも幅広く調査がしていけたらと思う。まだ道半ばだと思っている。
A さん:大学では、環境自然が専攻だったので、緑化と造園をもっと深掘りしたいと思いこの研究科に入った。全員が寮生活という密度の濃い環境の下での学修は期待以上の新たな発見があり目標は達成できたと思う。今後は、造園に関わる会社に進む。具体的には現場監督としてまちに緑を落としていく上での最後の砦役になるので、ここで学んだことを生かしながら頑張っていきたい。
C さん:私は留学生で、大学では経済学を勉強していたが、学部でも授業を履修しもともと興味があった環境について学びたいからこの研究科に来た。経済系のことと絡めて施策マネジメントをやりたかったが、形を作れるのはデザインであると考え最後は活用デザインを選んだ。卒業したら民間企業で庭の設計やランドスケープデザインなどやりたい。
D さん:学部は海洋生命科学を専攻していて水生生物等を学んでいたが、自然環境について幅広く理解するためには植物についても学ぶべきだと考えて本大学院を志望した。ここでの2年間で、初期に比べたら植物に詳しくなったと実感できるようになった。また、もともと、環境系の仕事に就きたかったというのも志望理由だったため、建設コンサルタント業界の環境分野に就職先が見つかり良かった。
Eさん:大学は国際協力系の学部だったがもともと環境問題に興味があった。大学構内で樹木が(風に)揺れているのを見て「いいなぁ」と思い、もっと景観についての分野の勉強をしたいと思った。そこで、環境系大学院のことや、ビオトープ管理士の資格を(ネットで)調べているうちにこの研究科にたどりついた。これから就職先が沖縄の植物園なので、緑を使って人に直接はたらきかけていきたい。
藤原研究科長:この研究科での生活やよかったこと、楽しい思い出など聞かせてください。
Eさん:生活環境が島であったり全寮制であったりと都市とは違う特殊な場所で、そこに集まる学生にもなぜか共通の雰囲気があり2年間にぎやかに楽しめた。
C さん:よかったことは、同じ寮に皆が住んでいていつでも遊び相手がいたこと。施設も集会室があって同期生もみな話しやすかった。
D さん:1年生の授業は里地里山の保全に関連したフィールドワークなどが多く、コウノトリの郷公園をはじめ教科書だけでなく実際に現場を見に行けたのがよかった。おかげで、フィールドワークに行くことについて抵抗がなくなったし、現場での先生の話も面白かった。
A さん:ここに来る人はそれぞれ目指す方向性は違うが、なにかしら緑環境に関心を持ってきているので(共通点があり)話しやすく、また、カリキュラムにおいても実践的な学びができた。学生同士で興味のあるものについて、授業以外で見に行ったりできた。専門分野の違う多くの先生方とディスカッションするのがいつも楽しかった。
藤原研究科長:淡路島での授業以外での思い出は何かありましたか。
A さん:沼島に行って自然が満喫できたこと。淡路に住んでいたから淡路島の中でも南にある島に行けたと思う。
B さん:個人的に地元の漁師と知り合いになって、深夜2時頃出港して底引き網の漁船に乗せてもらった。地元の人との交流が持てるのがよかった。私の住んでいた都市部ではこんな地域交流はできない。
A さん:淡路では(この研究科がある)「淡路景観園芸学校/研究科」の学生というと、地域の人が好意的で前向きに受け入れてくれた。
Eさん:淡路島内で特定外来種のナルトサワギクの防除とそれを用いた染色活動は楽しかった。地域に入って実践的な活動ができるのも特徴だと思う。
藤原研究科長:実践演習をやってみてどうだったか。
B さん:調査にあたって最初は苦しい思いもしたが、その調査結果が就職してからも病院の緑化などに活かせそうだ。
藤原研究科長:実践演習は 2 年次の 1 年間という限られた時間でもあり,大変なこともあるかもしれないですが,それぞれ今後に活かせてもらえればと思います。学校に対してあったらいなと思うものは?
D さん:移動手段が限られているので「学生間レンタカー」なんかあったら。
藤原研究科長:文科系など違う分野から来てここで学ぶ場合に違和感などはないですか?
C さん:私は留学生で大学では経済学部だったので、とりわけ違う分野のことばが一番大変だった。留学生にとっては違う分野の専門用語が難しかったが、友達に聞くなどして理解しようとした。
藤原研究科長:授業としては,そこは予習,復習という部分になるかもしれません。より明確に事前に伝えておくことができれば良いですね。最後になにかひとことを。
Eさん:さきほど、分野が違うところからきて学ぶ違和感の話があったが、私も国際協力系の学部だったので確かに違和感あった。とくに最初は専門用語が分からない。でも「この違和感きた―!」と思うようになって、違和感が新しいことを学んでいるというワクワク感になった。こうなれば楽しい生活になるし、これを楽しめる人たちには入ってきてほしい。
藤原研究科長:2年間の楽しい思い出を聞かせてもらいました。これから皆さんに続く後輩たち、研究科の今後の今日ここで課程は修了しても今後もいろいろなつながりがあると思います。先輩や後輩ともつながり研究科の仲間として発展していければと思います。皆さんの今後の活躍に期待しています。
今日は座談会に参加してくれてありがとうございます。
出席者:藤原研究科長、研究科(尼崎達也、上原俊樹、CHU BAO LONG、谷口みなみ、松本夕芽)