視点を変えて見てみると…

山本 聡

 

いろいろな景色を楽しむ場合、その形や色、その景色が出来てきた過程などを総合して観ることが多いと思います。

それでは、下の写真を見て何を連想するでしょうか。

20110519-134958-6335

 

この写真は、兵庫県伊丹市にある昆陽池公園の空中写真です。池の真ん中に、日本列島をモチーフとした島があります(左方向から右方向にかけて北海道、本州、四国、九州)。この公園は伊丹空港の近くにあるため、飛行機に乗ればこのような景観を観ることが出来ます。普段、公園の中を歩いている時にはこのような形はなかなか認識できないのですが上から見ることではじめてわかります。飛行機からの景観といった日常とは異なる場面を考えたデザインといえるでしょう。(公園内の展望台からも観ることはできるそうです)

景観のデザインを行う際にどの様に見えるかを考えるのですが、上の例の様にどこから見るかといった視点も重要となります。通常はグランドレベル(地上)から観る景観が主となると考えられますが、近年では高層ビルなどの高層階から下を見ることも増えています。この公園の例は、飛行機からの視線といった日常と異なる視点からの景観を意識した多様な景観を生み出すデザインと言えるでしょう。

このように、日頃は気づかないのに、視点を変えると全く別の景観が開けるということはよくあることです。その様な仕組みを随所に盛り込んで景観デザインをしていくということが、広い意味で多様な景観を形成することに繋がるのではないでしょうか。

PAGE TOP