当校の学食の屋上に作られている宿根草のガーデンは、2020年度の一学生が修論制作として取り組んだものです。

近年世界的に自然を切望するニーズが高まり,都市や身近な場所にも野趣あふれる景観や多様な植物のある環境が求められる傾向にあり、ローメンテナンスの宿根草やグラス類(ススキのようなイネ科などのやや地味な植物)を主体としたガーデンが見られるようになってきています。修論制作の目的は、ヨーロッパや北アメリカ、北海道などに比べ、高温多湿な日本の本州、特に淡路島でこのようなガーデンがどの程度可能なのかを探るため制作したものです。

一般的に宿根草は開花期が短いため、多様な種類が次々と咲き変わるようにデザインします。それに加えて、近年は花の後の実や花がらなど(シードヘッド)を観賞の対象とすることも重要視され、このような植物を優先的に選択しガーデンデザインを行いました。

そうすることによって、観賞期間が長くなり、また四季の変化を楽しめるのです。

宿根草を38種類、グラス類を26種類選び、約40㎡の花壇にデザインをして植え込みました。

4月に植え付けをした後、潅水や除草などの管理をしながら四季の変化やシードヘッドの状態など観察し、記録しました。

4月16日植え付け
6月4日
7月4日
8月6日
9月15日
10月21日
11月17日
12月24日
1月12日


このようなガーデンは、公共の場所ではまだ西日本では少なく、これからのコミュニティーガーデンなどにも取り入れられればと思います。

グラス類は風になびき倒れにくいので、台風などの多い西日本では有効的な植物です。宿根草と組み合わせることで、宿根草も倒れにくくなり、モダンでナチュラルな雰囲気を出すことができます。


 

初夏にはまだほとんどのグラス類が穂を出しておらず、華やかな宿根草がガーデンを彩ります。

秋になるとグラス類の穂が出て、しっとりとした雰囲気が出ます。グラス類の種類によって穂の形や質感などが異なりますので、ただの草むらのようにはなりません。

華やかな初夏
落ち着いた秋


 

シードヘッドは景色の中にユニークなポイントを作ってくれます

 

ベロニカストルムの花
ベロニカストルムのシードヘッド


 

エルサレムセージの花
エルサレムセージのシードヘッド


多くの種類を植え、また長く実などを置いておくことで、色々な蝶や昆虫がやってきます。生物多様性の点でも貢献できるガーデンです。

 

従来のガーデンに比べ、花が少なく草むらのように感じたり、シードヘッドも枯れた花がらなどは早く処分してほしい、観賞に値しない などと感じる方もいると思います。

しかし、これから持続可能なガーデンを目指すにはこのようなガーデンの在り方が重要です。よく見ると花の終わった後が面白い形をしていたり、枯れてきたころの色合いなども味わい深いものがあり、観賞する人間の目を慣らしてほしいと思います。そのためにはこのような植栽方法をもっとたくさんの方に見ていただき、植物を見る視点を変えていければと思います。

 

宿根草は植えてから2~3年目が株が充実して良くなります。2021年はさらに見ごたえのあるガーデンになります。


 

 

 

 

 

 

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