各地の景勝地に行くと、その地域の景観を楽しめます。それらは、地形や植生など元々その地域にあった景観であったり人が創り出した景観であったりします。いずれの場合も、その景観が良かったり好きだったりという「対象」については意識されますが、その景観を観る場所の良好さを意識することは少ないのではないでしょうか。例えば、自然の景勝地などの場合、展望施設が整備されていると自然とその場所にアクセスしてそこからの景観を楽しむことが多いのではないでしょうか。
そのような景観は、「良好な景観」とその「景観を観る場所(視点)」がセットで存在するといえます。
では、ここから見てくださいという展望場所などがない場合はどうでしょうか。良好な対象景観を整備しても、その景観を観る視点がなければその景観を楽しめないということになります。その場合は、道路端や各種の施設などから見ることになると考えられますが、景観を観ることに重きを置いた場所でない場合、安心して楽しむことができないことも予想されます。
良好な景観を安心して楽しむためには、対象となる景観の整備だけでなく、その景観を観る場所としての視点の探索や整備も必要になるのです。


ヤマザクラ群生地の景観(左から、遠景、中景、近景。中景と近景は視点が存在しないため、望遠レンズで撮影)このような景観を楽しむためには視点の整備が必要。


授業での学生目線での「あわじ花さじき」の良い景観を観ることができる視点の探索。(左:遠景、右:近景。近景での視点の創出)

 

 





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