2025年3月20日(木・祝)、淡路花みどりフェア2025の開会に合わせた形で、兵庫県立淡路夢舞台公苑温室「あわじグリーン館」がリニューアルオープンしました。このあわじグリーン館は、高さ約20mの大空間を有する日本最大級の温室で、淡路島を訪れて雨に降られた時、暑さ寒さが厳しい時、天気に左右されずに楽しめる施設で、来館者を楽しませてくれます。
あわじグリーン館は、関西空港の土取り場として掘削され自然破壊された場所に立地しています。この地は、2000年にジャパンフローラ2000を誘致し、その後背山地を緑化し、裾地に国営明石海峡公園を配して緑化復元されました。
このあわじグリーン館に入って上階にあがるエレベーターの前に淡路の形をした石のウエルカムモニュメントが設置されました。設置されたモニュメントは、北淡路の植生が灘山と開口窓を介して館内に入ってくるイメージとして植物でおもてなしをしたいというプロデュースリーダーの考えのもとに、施工者と本校の学生とが協働して作成したものです。背後から迫る灘山の緑やOECMサイトに認定された石の寝屋緑地公園の植生を手本とし、クスノキ、シロダモ、カクレミノ、モチノキ、ヒメユズリハ、モチツツジなど、植物が要求する光量や階層構造を模して位置を微調整しながら配植を決めていきました。モニュメントは地形的特徴や地域の植物を生きたまま展示しており、訪れる人々にあわじグリーン館の周辺や淡路島で見られる種構成を知ってもらうことができます。
あわじグリーン館には、シンガポールや世界各地から多様な植物が導入されています。これは、シンガポール建国の父、リー・クアンユー初代首相がGarden City(緑の都市)という緑化政策を掲げ、その中心施設となっているシンガポール植物園と交流覚書を交わしており、自然との共生を図ろうとする淡路公園島構想と合致するものと積極的な連携が行われています。さらに館内のシンボルとして高さ8mの「ガーデンキャッスル」が新設され、イギリスの彫刻家ジェームズ・ドラン・ウェッブ氏による流木アート作品「ジャンピング・ガゼル」が日本初の常設展示として登場するなど、自然の持つ力強さと優しさを感じることができます。
あわじグリーン館では、室内でありながら屋外の自然とのつながりを感じられるモニュメントを設置して来館者を迎えています。淡路島の豊かな自然環境の中で多様な緑空間を提供する拠点として家族連れから植物愛好家まで、幅広い方々にとって魅力的なスポットとなることが期待されます。
