写真1 地域の土の色が特色となっている例(フランス:ルシヨン)

日本や世界のいろいろな場所を訪れると、その地域を感じられる景観に出会います。その出会い方は様々ですが、高速道路などで街に近づくと、まず建物等のシルエットが見えはじめ、さらに近づくと屋根や壁の色、植栽などが感じられるようになります。屋根や壁が地域産の資材を用いて造られている場合、街全体が同系の色となり統一感が生み出されます。この統一感がある景観は地域の特徴となり得ます。なかでも、色はその街のアイデンティティを感じられる重要な要素と言えます(写真1)。


道路空間に目を向けると、海外では、郊外と街の境界がわかりやすいところが多く見られます。その境界部分が街の入り口となっており、そこに造園的なしつらえを施していることがあります。それらもその街の雰囲気を知るうえで大きなポイントとなります。例えば、岩の多い地域であれば岩を用いた造形物を、水の豊富な地域であれば水に関連する造形物や植栽帯を配置したりします。

写真2 街の入り口部分の植栽帯_水をふんだんに使用している


写真は、フランスのソルグという街の入り口部分ですが、この地域は水が豊富な地域であることから水をふんだんに取り入れた造りとなっており、その中に植栽帯を設けています(写真2)。この街では、水に関連した景観を街に入ってからも感じることができます。きれいな水の流れに水生植物が揺らいでいる景観であったり、人間と水との関係を感じられる造形物が街中に設置されていたりします。この様な造形物は、地域の特徴を感じられるとともに、それらを繋ぐ「水」があることにより違和感なく見ることができます。地域の資材は、特徴を表すだけでなく景観のおさまりも良くするのです(写真3,4)。

 

写真3 街の中を流れる川では水生植物の花を楽しめる
写真4 水を感じられる水車

 

 

 

 

 

 

 

 


人と自然との関係の中で形成されてきたこのような景観は、地域を表現する地域の顔と言っていいものでしょう。


 


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