今回はユニバーサルデザイン(以下、UD)と実務者教育について考えてみたいと思います。ランドスケープ科学を含む農学や環境科学を学ぶ学生さんが大学時代にUDを学ぶケースはほとんどない・・のが現状。そのため、公園緑地の整備や管理運営を担われる方々がUDを意識するのは職務で関わってからが大半です。
私は公園緑地の実務に携わる方々に、UDのお話をする機会をいくつかいただいているのですが、それを担っていくうちに、実務者の方々にお話をする際には留意したほうが良いと思われる個所がいくつかあることがわかってきました。(美濃ら 2022)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jila/85/5/85_445/_article/-char/ja/
一つ目は、設備に関するものよりも、管理運営などのソフトへの関心が高いことです。図1は講義を聞いていただいた後に、実務者の方々がどのような項目に関心があったかを示すデータです。管理運営、行政どちらとも、情報や人的支援といったソフトへの関心が高いことがわかります。都市公園の整備では基本的な移動円滑化に関する項目がマストになっていて、施設整備についてはガイドラインも充実していますが、管理運営にかかるノウハウはあまり共有化されていないままで、そのことが反映されていると考えられます。

二つ目は、公園UDに関する難しさを含んだ多様な事例を知りたい様子がうかがえることです。図2はUD講義後のアンケート自由記述の属性間比較です。これを観ると、実務に携わっておられる方々は共通教育の学生さんや生涯学習の方々と比較すると、前述したソフトももちろんですが、課題自体の多様さやUDを実施するにあたっての判断に困っている様子がうかがえます。これらを見ると、実務者向けのUD講義では、こうあったほうが望ましい的な一般論では受講生のニーズにはなかなか応えられないことがわかります。

最近になって、環境省管轄の自然公園に携わる方々へのUD勉強会のお手伝いをするようになりました。ここでも職員の方々のニーズは都市公園とほぼ同様。特に意見のなかで目立つのは、いま自分が所属している管轄の公園をどのように評価すればよいか、整備が過剰になってはいないか、あるいは自然環境保全とUDとの兼ね合いなど、さまざまな【判断の難しさ】です。

このような状況を踏まえ、研修にあたっては現場を見学する機会をつくり、昨年ははじめて双方向でUDの課題を解決するためのグループワークを取り入れ始めました。職員の方々は熱心で、担当の専門官も一緒になって、どうしたら良い学びの機会になるのか試行錯誤を続けています。これを読んでいただいている皆さんも良い知恵がありましたら、ぜひともお貸しください。ではまた(^^♪






