国立勤益科技大学景観系との交流および現場見学を2026年3月13日(金)~18日(水)に実施しました。訪問地は台北市および周辺都市、台中市で教員2名、有志で参加した研究科学生3名(修了生含む)の計5名で実施しました。
出国日である13日、peachの航空機材のやり繰りが遅れたため、台北市に到着したのが23時ごろになってしまいました。
14日は午前中から15時ぐらいにかけては「九份老街」、夕方は「華山1914文化創意産業園区」、夜は「寧夏夜市」を巡り台湾らしい街並みを見学しました。九份の最寄りである瑞芳駅周辺では、道路にはみ出た店舗・屋台が並び観光客で賑わう光景が広がっていました。日本のように一時的に道路を封鎖して行うのではなく、これが日常の風景である点が印象的でした。夕方には市内へ戻り、「華山1914文化創意産業園区」を訪れました。かつての酒造施設や工場跡をリノベーションした赤レンガ建築が残り、現在は台湾のサブカルチャーや創造的活動の発信拠点として、多くの若者で賑わっていました。夜は「寧夏夜市」を訪れ、台湾らしい活気ある飲食街で夕食をとりその日の活動を終えました。





15日は、国立故宮博物院および烏来老街の見学を行いました。国立故宮博物院は、フランスのルーブル、米国のメトロポリタン、ロシアのエルミタージュと並び世界四大博物館の一つとされ、宋・元・明・清の各王朝が所蔵していた至宝を中心に収蔵している博物館です。中でも翠玉白菜と肉形石は代表的な展示物として知られていますが、訪問時は貸出中で見ることができませんでした。烏来老街も有名な観光地で、台北の東側の山間部に位置し、タイヤル族という原住民族が暮らしています。商店には竹筒ごはんや見慣れない野菜など、山の恵みが並び、地域の文化や生活が感じられる街でした。また、日本統治時代に敷設された木材運搬用のトロッコが残されており、現在は観光用として運行されています。機械動力のトロッコで自然の中を走る体験は、非常に爽快でした。夜は、台湾のスシローに行って寿司を楽しむとともに、台日の食文化と料金の違いを確認しました。





16日は、朝、新幹線で台中へ移動し、国立勤益科技大学にて研究紹介および台湾と日本の造園技能検定を実践しました。勤益科技大学の方先生からは屋上緑化技術やエアポット灌漑技術について、韓先生からは植物を用いた治癒に関する研究を、当研究科からは壁面緑化技術や廃棄食料を活用した堆肥化の実証実験、日本における園芸療法の歴史と事例について紹介が行われました。午後は、双方の学生でチームを組み、造園技能検定3級試験の練習に取り組みました。台湾の造園技能検定試験では5つのデザインから当日どれを作るか指示される形式でした。台湾と日本の学生の混成チームを3組つくり、台湾の2デザインと日本のデザインをそれぞれ教えあう形で作庭しました。両国で空間構成や測定精度、ロープの固定方法などに違いがあり、それらを実体験として学べた点が非常に興味深かったです。練習中は、英語や身振り手振り、翻訳ツールを用いながら協力して作業を進めました。合間には趣味や学生生活の話も交わし、充実した時間を過ごすことができました。








17日は、国立自然科学博物館および緑空鉄道1908の見学を行いました。国立自然科学博物館では、原生植物展示や熱帯雨林温室を館長自らの案内のもと見学しました。展示方法にはさまざまな工夫が凝らされていましたが、特に印象的だったのは、展示されている植物が街の植木店などで実際に購入可能であり、利用を前提とした実践的な展示となっている点です。例えば、写真のように展示室の壁面に沿って、建物の低層部から高層部までの環境条件に応じ、それぞれの場所に適した植樹種を示すエリアが設けられていました。こうした展示は、来館者が具体的な活用イメージを持てる点で有効だと感じました。午後は、帝国製糖所跡地にて、台中市建設局の職員の方々との公園設計に関する打合せを行いました。現在、南苑公園の再整備において、公園の一部にヒーリングガーデンの導入が検討されており、会議ではまず建設局から計画案の説明が行われました。その後、日本国内の事例の紹介などを交えながら、専門的な観点から助言を求められました。その後、緑空鉄道1908という廃線跡を活用した緑の回廊型公園を訪れ、実際に設計に携わった設計者の説明を受けました。線路の一部も保存されており、全長約1.6kmにわたる空中歩道は非常に心地よい空間でした。一方で、計画当初は地元住民からの反対も強く、理解を得るのに苦労したとの話も伺い、日本と共通する課題があることを実感しました。その後、南苑公園に向かい、現地の実際の利用状況などを見学し、樹木の適正管理の観点から間引きが望ましい空間がある一方で、伐採に対する住民の反対が強く、合意形成が課題であるとの説明を受けました。このあたりは日本においても同様に見られる問題であり、日本では樹木医の診断のもと丁寧な説明を経て伐採が行われているとこなどを説明しました。夜は、台中の一中街夜市にて屋台の食べ歩きを楽しみました。






18日は、朝に台中市を離れ、桃園空港で最後の台湾の昼食とタピオカミルクティーを楽しみました。
今秋には、勤益科技大学の皆さんが淡路を訪問予定で、再会できるのを楽しみにしています。今後も双方の良好な関係を継続しつつ、研究と地域課題の解決につながるとともに、学生への研修になること期待します。






