■キャンパスの近くにある里山フィールド

兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科では、キャンパスから車で10分ほどの場所にある「兵庫県立あわじ石の寝屋緑地」をフィールドとして、様々な研究や授業、保全をおこなっています。

石の寝屋緑地は、淡路島の北の端にある都市緑地です。淡路島の里の自然を楽しめる場所、人と自然の関わりを感じられる場所として、2015年に開園しました。

この緑地は岩屋地区の背後に位置しており、1970年代までは地域の暮らしを支える里山でした。広大な里山の林は、暮らしのエネルギーを得る薪炭林で、人の利用に伴い、様々なタイプの森林がパッチワーク状に分布していました。谷あいに細く連なる水田では稲作が行われ、谷のところどころに築かれたため池がそれを支えていました。

2024年3月、石の寝屋緑地は環境省の自然共生サイトに認定されました。淡路島で最初の自然共生サイトです。自然共生サイトの認定には、当研究科の学生や教員の調査資料が活用されました。


明石海峡大橋の手前にひろがる「あわじ石の寝屋緑地」(ドローン撮影)



■里の水辺がおもしろい

石の寝屋緑地には、むかしの田んぼを活用して作ったビオトープ「いきものたんぼ」があります。また、谷筋には、使われなくなった古い田んぼやため池が点在しています。これらの“里の水辺”では、さまざまないきものに会えます。里の水辺は、地域の生物多様性をまもる上で、とても大切な場所なのです。

・いきものたんぼ(ビオトープ)

当研究科の学生がニホンアカガエルの卵を観察している


地元の小学校の児童が裸足でどろんこの中であそぶ
地元の小学校の児童が裸足でどろんこの中であそぶ


春から秋まで、様々な湿生植物・水生植物が生い茂る


・谷筋にある古い田んぼのあと

谷底に一列にならぶ古い田んぼの跡


冬枯れの頃の田んぼ跡


夏には湿地の植物の宝庫に


■里の水辺でいきものさがし

①地味でかわいい水辺の植物

ナガエミクリの花が咲いた


水の中のイトトリゲモを掬い上げて観察


ハンゲショウ。花は目立たないけど、葉っぱが白くなって開花を知らせる


水位の下がった池底にミズニラモドキが生えていた。


②めっちゃ小さい!微小水生昆虫

マルミズムシ。体長2mmちょっと。よくいる種類。ずんぐりむっくりでかわいらしい。


キイロコガシラミズムシ。体長3mmちょっと。背中の点々が精緻でかっこいい。


コツブゲンゴロウ 体長4mmくらい
ヒメケシゲンゴロウ 体長5mmくらい


コシマゲンゴロウ 体長10mmくらい。微小種を見慣れると10mmは大きく感じる


③カラフルなイトトンボたち


キイトトンボ。蛍光イエローでよく目立つ。水草の多い水辺にいる。


ホソミオツネントンボ。成虫で越冬するので、春早くから成虫がみつかる。 オスとメスがつくるオープンハート!


アオモンイトトンボ。胸部のライムグリーンと、腹部8-9節のアクアブルーが鮮やか。わりとどこにでもいる。


④みんな大好き!カエル!(異論はみとめる)

ニホンアカガエル。抱接中のペア。まだ寒い冬のうちに水辺にやってきて産卵をします。


ニホンアカガエルのうみたてたまご


産卵から1ヶ月くらいで、おたまじゃくしが泳ぎ始めます。


成体(おとな)は森林でくらします。落葉に紛れてますが、どこにいるかわかりますか?


シュレーゲルアオガエル。枝や葉の上で休んでいるところをよく見かける。


シュレーゲルアオガエルの卵塊。通称シュレたま。
春やや遅く、泥の中にマシュマロみたいな卵塊を産み付ける。


トノサマガエル。淡路島の里の水辺ではよく見かける。


ニホンヒキガエル。淡路島では生息地が少ないのか、なかなか会えない。


ニホンアマガエル。指先の吸盤がかわいい。顔もかわいい。


■ 求む、湿地を再生する同志!

このように、石の寝屋緑地の田んぼ跡やため池にはさまざまな魅力的ないきものがいます。しかし、これらの水辺環境には、さまざまな保全上の課題をかかえています。これからもいつまでも、多様ないきものが暮らせる場所として維持するために、当研究科の授業科目「里地里山の保全管理演習」で、年に1回か2回の保全活動にとりくんでいます。

水辺のいきものをまもりたい、水辺の環境を再生したい、そんな思いを胸に秘めている方は、ぜひ、当研究科に遊びに来てください。

 


 

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