さてみなさん、今年の熱い夏をどう楽しみましょう?

夏の高温化は生命や健康に影響を及ぼす大問題であり、以前から「植物の熱緩和効果」が注目されてきましたが、熱を調べるためのサーモカメラは高価で気難しい機械でした。私が学生のころは白黒画像で数百万円、液体窒素が必要でした。しかし最近は、スマホやカメラの性能向上で、1万円程度から数々の一般向けサーモカメラが販売されています(写真)。

一般向けのエントリーモデルでも、対応するOSとしてiOS用とAndroid用があり、写真のように別のスマートフォンを併用すれば同時に普通の画像や動画も楽しめます。


写真-1 サーモカメラ(左下)と2台のスマートフォン


試しに、気温が高くなる日中、真夏(気温33℃前後)にはインターロッキングブロックなどの舗装の放射温度は約60℃以上、遊具下のゴムシートは70℃を超え、ベンチなど木製品も概ね65℃と気が遠くなる熱さでした。一方、乾いた土は約55℃以上で、短く刈られた芝生は50℃以上になりますが、樹木の樹冠や木陰の草本は30℃台後半と、気温と大きくは変わらないようです。また、日向と日陰とでは大きく異なり、日が当たると上昇し、日が当たらなくなると低下したり、舗装などは夜間も高い温度が続くなど、一般的に知られていることが実際に観察できました。



そこでもう少し本気を出し、埼玉県南部および兵庫県南部を対象に、合計196本の樹木を測定してみました。測定者は記憶を失うほどの暑さでしたが、その結果、日中の樹木の樹冠表面温度は、気温より約1~3℃だけ高くなっていました。

公園などに存在する大部分のものは真夏の日射を受けて高温化し、時には気温との差が40℃近くという猛烈な温度にもなりますが、樹木は気温と比べてほとんど高くならないことが分かります。今後の都市の高温化で、気温より樹木の方が低くなる可能性もあると考えています。

このほか、葉の繁り具合、樹形、樹高、衰退度、樹種、夕方の冷却現象や1本の樹木(モッコクの低木)を例にした日向と日陰の違い、高さによる違いなどを報告しています。

簡単ですから、全国でみんなで測ってみて、樹木の効果を実感しませんか!




【ご参考1】

「スマートフォン接続型サーモカメラを用いた夏季高温日の樹木等の放射温度について」日本造園学会 ランドスケープ技術報告集2025年4巻

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jilatech/4/0/4_85/_pdf/-char/en

 

【ご参考2】

〇共著者の変態樹木医、岩谷美苗さんのブログです。上記の埼玉での測定は岩谷さんによるものです。右側の「カテゴリ」も、ぜひご覧ください。

https://namife.hatenablog.com/entry/2026/02/26/094320


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