すべての居室に、とは言わないけれど、部屋の中にも植物がいないと落ち着かない…。そんな方、私のほかにもいらっしゃるのではないでしょうか。

そうは言っても、時々しばらく家を空けることもあるし、室内の陽当りの良い場所も限られる。多少日当たりが悪くても、少し水をあげられなくて乾燥してしまっても、めげずに元気でいてくれる。枝葉だけでも素敵だけれど、たまには花も咲かせてほしい。こんな私と相性が抜群なのがホヤ(キョウチクトウ科 サクララン属:Apocynaceae Hoya)の仲間です。いつの間にか鉢が増えて、現在は6種類を育てています。

 ホヤの仲間は熱帯アジアを中心に、アジア、ポリネシア、オーストラリアに分布し、ほとんどがつる性の着生植物です。種類によって開花条件は様々ですが、どれも星のような五角形の花を咲かせ、甘い香りを楽しめるものもあります。種類によって、花がくす玉のように複数集まって咲くものもあれば、一輪ずつ咲くものもあります。花弁は多肉質で、ロウのような光沢を持つ厚みのあるものから薄いもの、毛がびっしり生えたものも。また、花色は白、黄色、黄緑、オレンジ、ピンク、赤、濃い紫など、バリエーションが豊富です。

 観葉植物として最も流通しているホヤ・カルノーサはサクラランの和名を持ち、日本では九州南部以南に自生します。2026年現在、ホヤの仲間は500種を超えるそうで、園芸植物として広く親しまれ、多様な品種が作出されています。


プビカリクス(Hoya pubicalyx) ‘ロイヤルハワイアンパープル’
レツーサ(Hoya retusa)の花は1~2輪ずつ咲く


今回、我が家のホヤたちを調べていて、驚いたことがありました。2016年頃にお迎えした、硬くてしっかりした葉を持つホヤの名前を調べていたところ、なんと2011年に新種として記載されたばかりのものだったのです。ミャンマー原産とされ、学名はHoya rotundiflora 。rotundifloraはラテン語で「丸い花」を意味し、ロツンディフローラ と読みますが、なぜか日本では「ロツンディフォリア」と呼ばれていることが多いようです。-foliaはラテン語の「葉」に由来する語尾です。

 この種は2005年頃にタイの市場で見出され、2007年頃からは Hoya sp. “Square” として流通していました1)。多くのホヤの葉は先が尖った楕円形をしているところ、長方形(四角形)に近い特徴的な葉の形が流通名になっていたのです。「ロツンディフォリア」だと、「丸い葉」の意味になってしまい、ずいぶん印象が違います。園芸の世界で愛好家には知られていたのに、植物学上はまだ新種として記載されていなかったのです。


ロツンディフローラ(Hoya rotundiflora)


うちのホヤたちは、ロツンディフローラのほかにも、先が少しふくらんだ棒のような葉をしたレツーサなど、やや珍しいものが多めです。フィリピン原産「プビカリクス」の園芸品種であるロイヤルハワイアンパープルは、年に何度も花を咲かせてくれ、時には香りで花が咲いていることに気づくことも。最近お迎えしたものの、品種名が分からなくなってしまった鉢(おそらく園芸品種のロシータ?)も、旺盛な生命力でグングン新芽を伸ばしています。レツーサなど、うっかりしていると隣の鉢に伸ばした茎から発根して領土を広げようとするほどやんちゃで、環境が合えば良く育ちます。


 

斑入りなど、変わり葉の品種も多くあります(Hoya heuschkeliana)


種類にもよりますが、容易に発根するものは差し芽やつる伏せも簡単。丈夫で育てやすい種類も多く、観葉植物を育ててみたいけど、初めてで自信がないという方にもおすすめです。サクララン(Hoya carnosa)などの一般的な種類は、ホームセンターや町の花屋さんでも手に入ります。気に入った一鉢を見つけたら、ぜひ育ててみてください。葉を眺めるだけでも楽しいものですが、思いがけず花が咲いたり、その植物について調べて新しい発見があったりするのも、植物と暮らす楽しみのひとつです。


1)Rodda, Michele & Simonsson, Nadhanielle. (2011). Hoya rotundiflora (Apocynaceae, Asclepiadoideae), a new horticulturally important species from Myanmar. Phytotaxa. 27. 10.11646/phytotaxa.27.1.4.


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